b型肝炎ワクチンは3回接種で効果あり

ウイルスによって感染するb型肝炎は、最悪の場合死に至るケースもある恐ろしい病気です。感染した場合は適切な治療を受ける事が大切ですが、b型肝炎は予防出来る病気でもあります。感染を予防するためには様々な方法がありますが、中でもb型肝炎ワクチンは高い予防効果を発揮するため、特に免疫力の低い乳幼児は積極的に接種しておくべきと考えられています。

b型肝炎とはどんな病気?

b型肝炎とはb型肝炎ウイルス(HBV)に感染した状態の総称となります。急性b型肝炎と慢性b型肝炎に分かれるのですが、急性b型肝炎が大人になってからHBVに感染して発病する病気である一方、慢性b型肝炎は乳幼児の頃に感染してHBVに持続感染している状態から発病した病気となります。

症状の現れ方もそれぞれに違いがあり、急性の場合は倦怠感や食欲不振、嘔吐、さらには黄疸などの症状が出てくる事があります。症状は一過性で安静と食事療法に努めれば治癒していき、また感染しても何も症状が現れないまま治ってしまう不顕性感染となるケースもあります。

また稀に劇症肝炎を発症するケースもあり、解毒作用が低下した事で血中のアンモニア濃度が上昇し、脳症を引き起こして死に至る可能性もあります。そして慢性肝炎はほとんど症状が現れません。疲れやすい、だるい、食欲がないといった風邪に似た症状が出る事もありますが、感染している事に気付かず健康診断の血液検査で初めて知る人も多いです。

急性肝炎よりも症状が出にくいですが、肝機能異常はずっと継続しており、肝臓は長い期間をかけて傷められている状態です。最終的には肝硬変や肝がんを発症する事もあるので、定期的にチェックを受ける必要があるのです。

b型肝炎ウイルスの感染経路

b型肝炎ウイルスは世界中に約3億5,000万人の感染者がいると言われています。日本でも約130〜150万人の感染者がいますが、これは100人に1人の割合となります。感染者の血液が他人の血液の中に入る事で感染が成立するため、基本的に感染経路は限られています。

b型肝炎ウイルスが含まれた血液を輸血、臓器移植、予防接種で使用する注射器や注射針の共有、医療従事者の針刺し事故など医療現場での事故や、ウイルスに感染している母親から生まれた子供への母子感染、感染者の血液や体液と濃厚な接触がある性行為などが挙げられます。

輸血や臓器移植などはウイルスが含まれないよう厳しいチェック体制が整えられており、予防接種で使用される注射器や注射針は全て使い捨て、針刺し事故が起きた時は正しい対処法がマニュアル化されている事などから、近年は医療事故による感染報告はほとんど無くなっています。

同時に母子感染も、適切な母子感染予防措置をとる事によって新たな感染者は報告されていません。逆に増えてきているのが、性行為による感染や違法薬物を使用する際の注射器・注射針の使いまわし、衛生状態が良くない場所でのタトゥー・ピアスの穴開けなど、医療現場以外での感染という事になります。

b型肝炎は注射で感染?注射で予防しよう

b型肝炎、感染を予防するためには

b型肝炎ウイルスは血液や精液以外にも含まれています。実際、尿や涙、汗などにも入っていますが、微量であるため人に感染させるだけの力はありません。つまり日常生活の中で感染する事はまずあり得ないのです。感染者との握手や一緒に食事をする、トイレを共有するなども全く問題ありません。

ただし日常生活の中でも血液と触れる機会がある場合はまた別の話になります。例えば歯ブラシやタオル、カミソリなどは血が付着している可能性があるので共有すると感染する恐れがあります。出血が見られるような怪我や鼻血などの処置を素手で行うと、介助する側の皮膚に傷があった場合はそこから血液感染する可能性もあるので、なるべく感染者本人以外は血を触らないようにしなければいけません。

同時に血が付着した服は他の家族と一緒に洗濯するのではなく、希釈した塩素系漂白剤で消毒してから洗濯するようにします。最も感染者の増加が問題になっているのが性行為によるものですから、不特定多数の相手と関係を持つ事も控えなければいけません。

コンドームを装着する事で感染リスクを減らす事は出来ますが、HBVはHIVよりも感染力が強く、ゴム無しでのオーラルセックスでも感染する可能性はあります。さらに若い人に注意が必要なのが、不衛生な場所でピアスの穴を開けたり入れ墨を彫ったりする事です。

安さに惹かれて利用する人もいますが、器具がきちんと消毒されていない事もあるので、自分の知らない間にb型肝炎に感染してしまうかもしれません。

b型肝炎予防にはワクチンが有効

普段の生活の中でb型肝炎を予防する方法はありますが、b型肝炎ワクチンを接種しておくとさらに安心です。

以前は任意のワクチンでしたが、2016年10月から定期接種となり、0歳児の赤ちゃんは公費で接種出来るようになりました。現在は母親からの母子感染もほぼ防ぐ事が可能で、日常生活の中で感染する心配はほとんど無いものの、稀に感染経路不明の感染者が出てきています。

特に3歳未満の乳幼児は体の免疫機能が不十分で、b型肝炎ウイルスが体内に入ってきても体外へ排出する力がなく、キャリアになる可能性が高いです。幼稚園や保育所など集団生活をすると、気をつけているつもりでも他人の血液に触れる事もあるため、もしもの場合に備えてワクチンを接種しておくと安心感が持てるのです。

b型肝炎ワクチンは3回の接種で効果を発揮します。標準的なスケジュールは生後2ヶ月の時点で1回目、1回目から27日以上あけて生後3ヶ月で2回目、1回目から139日以上あけて生後7~8ヶ月で3回目という流れになります。

1歳を超えると定期接種期間内におさまらないので、公費負担でワクチンを打ちたい場合はスケジュールを綿密に立てておく必要があります。

同性との性行為とb型肝炎感染の関係

赤ちゃん以外でもワクチンを打つべき?

b型肝炎ワクチンは2016年10月から定期接種となり、それ以降に誕生した子供はワクチンを打つ事が義務づけられています。しかしその前に産まれた子供や大人は任意接種の時期だったので、ワクチンを接種していない人が多いのが現状です。

任意とされている場合はワクチンを打つべきなのか判断に迷うところですが、幼少期ほどキャリア化する可能性が高いので、子供が低年齢であればワクチンの接種をしておいた方が安心です。また低年齢であるほど免疫がつきやすく、20年以上は感染予防効果が期待出来ます。

そして家族に感染させないためにも、他人の血液や体液に触れる事が多い職業の人はワクチンの接種が推奨されています。医療従事者をはじめ、救急隊員や警察官、介護職員、保育士などは予防のために打っておいた方が安心して仕事に集中出来ます。

ちなみに大人がワクチンを接種する場合も3回接種で効果が期待出来るようになります。